うさむねhello.work

スーパーマリオ64のRTA(リアルタイムアタック)を専門に活動している人のブログです

メニュー

【マリオ64】ワンスター記録ボードが移行された件

要点だけ

・2019年9月までspeedrun.comにあったワンスター記録ボードをgoogleスプレッドシートに移行

・移行に伴い、追加された要素は以下5つ

① タイムラインシートが作成され、ワンスターの現行更新履歴が見れるようになった

② ワンスター歴史シートが作成され、ワンスターの更新履歴が見れるようになった

③ エミュレータ/VCの記録は、参考記録(IGT)として受理されるようになった

④ 各クッパバトルステージが追加された

⑤ 記録申請用に申請フォームが開設された

 

ここから色々見れる: 

sites.google.com

※ ワンスター歴史シートは現在記録を埋めている最中なのでまだ公開していない。

 

ワンスター記録ボードのイメージは以下のような感じである。見た目はultimate sheet v2から引っ張ってきているので、きれいにできていると思う。

f:id:circumark994:20191018195652p:plain

 

今回の概要

「マリオ64のワンスターって何?」という話と「なぜ移行したの?」という話をする。

 

マリオ64におけるワンスターとは

一言で述べると、各スター単位で行なわれる、とにかく最速でスターを取りに行く競技

記憶に新しいのは、レインボークルーズで絨毯を使わずにお城スターを取ったXiah氏のワンスターだと思う。

 

「記録まとめ係が変わる」「本競技がガチ化していく」等により、ちょくちょくルールが変化している競技だが、現状はマリオ64RTA界の時代の流れ・ワンスタープレイヤーを考慮し、大まかに以下となっている。これは、今回の移行で変わったわけではなく、ここ3年ぐらいずっとこんなルールになっている。

 

① 実機(N64)記録を優先。それとは別に、実機/エミュ/VC問わずに参考記録扱いで最速IGT(ゲーム内タイム)を記載。

理由:

エミュレータ/VCのタイムでも、実機で出せる可能性のあるタイムも存在するので、参考にできることから参考記録扱いで記載するようにした。

 

②一部チートコードは使用可能。具体的には「Star Select」「ゲーム内タイマー(小数点2桁)」「Lag Frame Counter as Life Count」など。詳細は冒頭で挙げたサイトを確認すること。

「Level Reset」がダメな理由:

Level Resetを使うと、メモリ内のオブジェクトの配置がごちゃごちゃになる(正規とは異なる)。それによって処理落ちが減る等の影響がある可能性があるため。

「Lag Frame Counter」がOKな理由:

IGTとLag Frame Counterの増加量に基づいてリアルタイムを算出するようになったから。

チートコードを使っていなかった時代は動画を精査していたが、この方法だと、例えばフレームが欠けていた場合に正確なタイムを出すことができないという問題があった。現行の方法では、動画の品質が悪くても100%正しいタイムを得られるようになった。

 

過去にワンスターを実機でチート無しで粘っていたプレイヤーからは想像もできないほど変わっていて、「こんなのありなの!?」と思うかもしれない。

特にGameSharkが使用可能になったのは大きいと感じると思う。

ただし、このルールは任天堂公式のルールではなく有志が考えたルールなので、現行ルールに納得のいかない人は、別途ルールを作成し、記録ボードを作ってみてほしい。

 

なぜ移行したのか?

2019年9月まで、ワンスターはspeedrun.comで管理されていた。(マリオ64RTAの記録と同じ場所)

しかし、speedrun.comのモデレータ・ワンスタープレイヤーとしては、speedrun.comで管理することに問題を感じていたのだ。

この問題を解消するために移行に至ったらしい。

 

① speedrun.comのモデレータが思っていた問題点

まず、前提として、マリオ64RTAとワンスターとでは、欲しいタイム情報が異なる。

 

RTA: リアルタイムのみ欲しい。IGTはいらない。

ワンスター: リアルタイム・IGT両方欲しい。

 

speedrun.comの表示設定において、「リアルタイムのみ」「IGTのみ」「リアルタイム・IGT両方」ができるのだが、現状これらはページごとに設定できないので、ワンスターに合わせて「リアルタイム・IGT両方」の設定にしていた。

しかし、RTAしかしないプレイヤーからすると「IGTの欄は何を記入すればいいの?」という感じになるし、実際、そういった質問も多かったらしい。

だから、モデレータとしては、「リアルタイムのみ」の設定にしたかったわけだが、ワンスターが足かせになっていた。

 

② ワンスタープレイヤーが思っていた問題点

speedrun.comのバグなのか、記録表示関連で使いにくいところがあり、「色々記録を見たいのに使いにくいな」と思うことが多かった。これがどういう意味かをひとつ例を挙げて説明する。

 

speedrun.comにおけるワンスターは、各ステージごとにページがあり、そのページ内に小タブでスターが分けられていた。ちょうど120枚RTAもそんな感じの構成になっているので、これを例に挙げる。

www.speedrun.com

 

例えば、小タブ3番目の「エミュレータ」の1位の記録動画を確認した場合。

f:id:circumark994:20191018183618p:plain

f:id:circumark994:20191018183630p:plain


この後、「2位の人の記録も見たいな」と思ってブラウザバックすると…。

なんと、小タブが「エミュレータ」なのに、「N64」の記録リストが表示されるのだ。

f:id:circumark994:20191018183648p:plain

 

以前はブラウザバックすると小1タブ目に戻る仕様だった。最近その仕様が修正されたのだが、修正後も小1タブ目の記録リストが表示されてしまうので(バグ?)、いまだに使い勝手が悪いのが現状である。

 

「だったら新しいタブで記録動画を開けばいいじゃん」と思うかもしれないが、右クリックから「新しいタブで開く」ができない仕様となっている。あと、地味に記録リストが表示されるまでのロードが長いのも気になる。

こんな理由から、ワンスタープレイヤーとしては、若干の不便さを感じていた。

 

なぜ移行先がgoogleスプレッドシートなのか?

結論を先に述べると、必要な要件を満たせるのがgoogleスプレッドシートしかなかったからである。その必要な要件とは大まかに以下である。

 

① 各記録の動画をすぐ見れるようなデザインにしてほしい。

② 実機記録でも、リアルタイム・IGTの両方を表示したい。

③ 実機のリアルタイムの最速記録だけでなく、IGTが速いだけの記録(エミュレータ/VC含めて)も、参考に載せたい。

④ 無料でやりたい。(自腹で色々やってくれるならそれに越したことはないが)

⑤ モデレータが申請された記録を受理したらワンスター記録リストを自動更新、というような自動更新できる仕組みにしたい。

⑥ 受理された記録を「ワンスタータイムライン」「ワンスター歴史リスト」にも自動的に挿入したい。

⑦ 海外からのアクセスでも弾かれないようにする。(atwiki等では一部海外からだと弾かれるのでこういうのに向いていない)

 

この他にも細かいところはあるが、割愛する。

これら条件を満たせるのが現状googleスプレッドシートだけだったので、シートにすることにした。今後、良いサービスが出てきたりしたら乗り換えるかもしれない。

 

むすび

今回は、私が一部手伝った新ワンスター記録ボードについて話した。※本件をメインに行なっているのは、ワンスターを管理している人達と、speedrun.comのモデレータ達である。

 

本来はマリオ64のSpeedrunningサーバ等で正式に移行の告知をするべきだが、なぜか告知がなかったので、一応この記事を日本人向けに作成することにしたが、ほとんどの人が興味のない話題かもしれない。

 

その他、ワンスター記録ボード移行に伴い、マリオ64のリソースを集めたサイト「Usamune Hello Work」を作った。

私のdiscordサーバのリソースに貼ってある内容と結構似ているが、サーバには貼ってないようなリソースも置いてあるので、ぜひ有効活用して欲しい。なお、サイト名の由来は某職安から来ている。

sites.google.com