まえがき
私は、RTAGamersのサイトでときどきRTAの記事を書いている。
最近、各記事のPV数(ページビュー数)が見れるようになったので、
・『どんな記事がPV数が高いのか』を確認し、
・「継続的に書ける"ウケの良いRTA記事"とはどういう記事か?」
を考えてみることにした。
※具体的な数字は伏せる。自分の記事だけを対象とする。
結論を先に述べると、継続的に書ける"ウケの良いRTA記事"とは『独自の切り口から考察している記事』である。
――どうしてこんな結論になるのか、順番に話していこう。
※結構長い考察になっているので、暇な時に読んでほしい。
どんな記事がPV数が高いのか
基礎知識
PV数とは、"ページビュー数"の略で、ユーザーがページを閲覧した回数である。
『PV数が多い = ウケの良い記事』ではないのだが、PV数が高いほどウケが良い傾向にあるのは間違いないので、今回はこの数字を見ることにする。
(そもそもPV数しか開示されていない)
※一般的には『セッション数』を気にしたほうが良いと言われている。セッション数とは訪問された数のことで、期間内であれば、ページを何度開いてもセッション数1となる。
とりあえずPV数が高い順に並べてみる
さて、私の記事のPV数はどれぐらいかというと……。具体的な数字は伏せるが、以下の順番となっていた。
(記事名は長いので省略。詳しくは『RTAGamers - circumark994』を見てね。)
【最強】 時オカ任意コード実行
~ 越えられない壁 ~
【強い】 やみのせかいのクッパの更新案
【中堅】 ランダマ70枚/1時間39分切りに賞金/リマッピング問題/今の16枚はやばい/マリオ64の始め方/Liam氏
【準中堅】 2019年まとめ/四段ジャンプ/ESA Break The Record/バリアスキップ
【弱小】 ケツで更新/Any%大会
考察する前に感想
意外と読まれていることに驚いた。『時オカ任意コード実行』の記事だけ、他の人の記事と比べても圧倒的なPV数だった。
『やみのせかいのクッパの更新案』の記事が伸びた理由は、当時のRTAGamersでは、頻繁に記事がアップされていたからだと思われる。
落ち着いてきた今の時期にアップしたら、中堅レベルになると予想している。
私の感想なんかはどうでも良いので、このPV数の順位をもとに『ウケの良いRTA記事』を考えてみよう。
まずは傾向を確認してみた
……とその前に1点確認する
文字数・ジャンルという観点で傾向を確認しようと思ったが、記事の日付がPV数に大きく影響している可能性も否めなかった。
言い換えると、
・RTAGamers発足当初は、サイトの認知度が低かった
・過去の記事を敢えて読もうとする人は意外と少ない
という理由から「古い日付の記事ほどPV数が少ないのでは?」という疑問が生まれたということである。
ただ、実際に確認してみると、このサイトの2番目の記事である『リマッピング問題』や、3番目の『1時間39分切りに賞金』は、中堅クラスにはPV数が伸びていた。
ということで、古い日付かどうかは無視することにした。
記事の文字数がPV数に影響している?
まず真っ先に頭に浮かんだのが、『記事の文字数が多いほどPV数が多い傾向にある説』だ。
『文字数が多い記事ほど読者が満足してくれる』⇒『読者が記事を広めてくれてPV数が伸びる』という浅はかな考えから生まれた説となっている。
実際に調べてみたのが以下となっている。カッコ内が文字数である。
【最強】 時オカ任意コード実行(4,049)
~ 越えられない壁 ~
【強い】 やみのせかいのクッパの更新案(1,857)
【中堅】 ランダマ70枚(4,280)/1時間39分切りに賞金(3,642)/リマッピング問題(5,523)/今の16枚はやばい(5,642)/マリオ64の始め方(5,045)/Liam氏(4,521)
【準中堅】 2019年まとめ(4,565)/四段ジャンプ(2,969)/ESA Break The Record(2,904)/バリアスキップ(4,072)
【弱小】 ケツで更新(3,022)/Any%大会(1,990)
サンプル数が少ないので断言はできないが、傾向があるようには見えなかった。
2,000文字以下でも読まれる記事もあれば、4,000文字以上でもあまり読まれていない記事もある。
強いて言うのなら『5,000文字以上ならPV数が伸びやすい』ぐらいだろうか。
傾向が出なかった理由は、読者は文字数なんて気にしていなくて、記事に必要な情報が入っていれば満足するからだと予想している。
記事のジャンルがPV数に影響している?
記事には、例えば、「〇〇という革命的なバグが見つかった!」みたいな大発見系や、「〇〇というRTAイベントがあるよ!」みたいな告知系などがあると思う。
今回はこれを『記事のジャンル』と呼ぶ。
二番目に思いついた説は、「記事のジャンルがPV数に影響しているのでは」という説だ。
実際に調べてみたのが以下。カッコ内がジャンルで、大発見、告知、紹介、考察の4つに分けている。
【最強】 時オカ任意コード実行(大発見)
~ 越えられない壁 ~
【強い】 やみのせかいのクッパの更新案(大発見)
【中堅】 ランダマ70枚(考察)/1時間39分切りに賞金(告知)/リマッピング問題(告知)/今の16枚はやばい(考察)/マリオ64の始め方(紹介)/Liam氏(考察)
【準中堅】 2019年まとめ(紹介)/四段ジャンプ(紹介)/ESA Break The Record(告知)/バリアスキップ(大発見)
【弱小】 ケツで更新(紹介)/Any%大会(告知)
サンプル数が少ないので断言はできないが、大発見系の記事は人気があるように見える。
まあ、これは当たり前の話かもしれない。
RTAの代表とも言える『ゼルダ』や『マリオ』の大発見ともあれば、RTAプレイヤーなら気になって読むことだろう。
それ以外のジャンルは、ぱっと見では傾向が見られなかったので、以降でもう少し深く考察することにする。
記事のジャンルの考察
前提の確認
私が求めているのは『継続的に書ける"ウケの良いRTA記事"』であり、大発見系・意味不明系ではそれを満たすのが難しいと考えている。
まず、大発見系だが、大発見は見つけようとして見つかるものではないので、継続的に書くことはできないと思う。
続いて、意味不明系。
意味不明系とは『意味不明なバグ技などを使うRTAの紹介記事』のことだ。
例. 『メモリを操作してデータをバグらせる』みたいな記事。
こういう記事も「意味不明で面白い」という理由からPV数が伸びやすいが、1回紹介したら次はそのネタが使えないという弱点がある。
つまり、数多くの意味不明なRTAに手を出していないと、継続的に書くことは難しいわけだ。
以上の考えから、大発見系・意味不明系を除いて考察することにした。(告知、紹介、考察の3つとなる)
【中堅】 ランダマ70枚(考察)/1時間39分切りに賞金(告知)/リマッピング問題(告知)/今の16枚はやばい(考察)/マリオ64の始め方(紹介)/Liam氏(考察)
【準中堅】 2019年まとめ(紹介)/四段ジャンプ(紹介)/ESA Break The Record(告知)
【弱小】 ケツで更新(紹介)/Any%大会(告知)
[告知] 惹きつける話題の告知系は読まれやすい
すぐに目が行ったのは、告知系記事だ。
告知系とは、その名の通り、イベントなどを告知するのがメインの記事である。
『1時間39分切りに賞金』『リマッピング問題』はPV数が伸びていたのに対し、『ESA Break The Record』『Any%大会』はあまり伸びていなかった。
私の主観だが、この差は「惹きつける話題であるかどうか」だと思う。
PV数が伸びた2枚は、RTA界としては結構珍しい話題だったので、「どういう告知なんだろう?」と疑問に思って読んでくれた人が多かったのだと予想。
逆に、PV数が伸びなかった2枚は『RTAイベントの告知』というありきたりな話題だ。
RTAイベント記事を読む層を考えると、
・既にそのイベントを知っている人は読まない
・そのRTA(マリオ64)に興味のない人は読まない
はずで、残りの『まだそのイベントを知らないけど、興味がある人』が読むことになる。
これはかなり人数が限られると思うので、それゆえにPV数が伸びなかったのだと予想した。
[紹介] 普通の紹介系は読まれにくい
なんとなく察していたことだが、やはり普通の紹介系は読まれにくい傾向にあるようだ。
紹介系とは、テクニックや出来事などをただ単に紹介するのがメインの記事だ。
"普通"の意味は、『意味不明系のRTAの紹介ではない』という意味である。
私が『紹介系』のつもりで書いたのは以下の4枚。
・マリオ64の始め方
・2019年まとめ
・四段ジャンプ
・ケツで更新
このうち、一番上は『マリオ64RTAに興味が湧いた人』に対して書いていて、残り3つは『マリオ64RTAをもっと深く知りたい人』に対して書いている。
RTAGamersの読者層は、マリオ64RTAに興味がある人よりも、RTAそのものに興味がある人が大半だと予想している。
この予想が当たっているとするならば、
・これからマリオ64RTAを始めます!
・マリオ64RTAをもっと深く知りたいです!
というような『マリオ64RTAの知識』に興味がある人は少なく、
・マリオ64RTAで最近見つかった事柄を聞きたいです!
・マリオ64RTAで今ホットな話を聞きたいです!
というような『マリオ64RTAのニュース』に興味がある人のほうが多いと思う。
この傾向が顕著に表れたのがこの4枚なのではないだろうか。
[考察] 考察系は……読まれる!?
考察系の意味は後で話すが、私が考察系として書いたのは以下の3枚だ。
・ランダマ70枚
・今の16枚はやばい
・Liam氏
これら考察系の記事は、結構読まれていた。
もちろん、
・『ランダマ70枚』はAGDQ向け
・『今の16枚はやばい』はRTA in Japan向け
なので、ビッグイベントに引きずられて伸びたとも考えられるが、Liam氏の記事はイベントとは無関係であることから、『考察系であること』が大きいと考えている。
私は、この考察系記事こそが、継続的に書ける"ウケの良いRTA記事"だと思っている。
これだけだと、『考察系記事がなぜ読まれるのか』『そもそも考察系記事とはなんなのか』など分からないと思うので、次のセクションで私の考えを順番に述べることにしよう。
どんな話題でも面白くできるのが『考察系記事』
考察系記事とは?
私が言う『考察系記事』とは、独自の切り口からスタートしている記事のことである。
例えば、『今の16枚はやばい』の記事であれば、「今の16枚RTAってどこがやばいの?」という私独自の切り口があり、その答えを私なりの考察で述べている。
逆に、考察系記事とは言えない代表例として『ケツで更新』の記事がある。
この記事は、私独自の切り口からスタートしておらず、出来事を紹介しているだけなので、考察系記事ではない。
例えば、「なぜ人間がケツルートを決められたのか?」という私独自の切り口からスタートし、私なりの考察が入っていれば考察系記事扱いで良かっただろう。
考察系記事と考察系記事以外とではウケる点が違う!
私はどんな話題でも面白くできるのが『考察系記事』だと思っている。こう言える理由は、考察系記事と考察系記事以外とではウケる点が違うからだ。
どう違うのかを箇条書きしたのか以下となる。
考察系記事以外: 話題自体が面白い!
考察系記事: 独自の切り口が面白い!
以降で順番に述べよう。
考察系記事以外でウケた記事の共通点
今までのセクションの中で、考察系記事以外で読まれやすい記事として、2点挙げたと思う。
・大発見系・意味不明系は読まれやすい
・惹きつける話題の告知系は読まれやすい
これらには1つの共通点がある。それは、話題自体が面白いことだ。
以下は、それぞれの代表記事のタイトルである。
大発見系: 「大革命! 任意コード実行でエンディングへ!」
告知系: 「1時間39分切りで賞金10,000ドル!」
これらのタイトルには、独自の切り口はなく、事実(話題)だけしか述べられていない。
……が、タイトルを読むだけで、「絶対に面白いこと書いてあるでしょ!」と読みたくなる気持ちに駆られる人が大半だろう。
このように、考察系記事以外でウケた記事には、『チートレベルで話題自体が面白い』という共通点があるのだ。
逆に言えば、話題がしょぼそうに見えれば、どんなにうまく記事を書いても読む人が少ないと思う。
『話題自体が面白ければウケる』というのは、至極真っ当な因果関係な気がするが、考察系記事はこの点が違うのである。
考察系記事は独自の切り口が面白い
考察系記事は、独自の切り口からスタートするのが特徴だ。
独自の切り口は、書き手の感性から生まれるものである。
そして、その感性がウケるかどうかで、どれだけ読まれるかが変わってくる。
だからこそ、書き手が頑張れば、どんな話題でも面白くできるのだ。
例えば、「ランダマ70枚RTAはオタク向け!」という考察系記事。
記事タイトルに入っている『オタク向け』という要素は、一般的にそう言われているかは不明であり、あくまで私独自の切り口となっている。
もし、この要素がなく、「ランダマ70枚を紹介!」というシンプルなタイトルだったとしたら……、ぶっちゃけ、興味が無ければ読まないだろう。
『オタク向け』が入っているからこそ、「ランダマ70枚には興味ないけど、どうしてオタク向けなんだろう」と気になって読むようになるわけだ。
その他、「最先端の情報を駆使したプレイヤーが世界記録を取った件」であれば、『最先端の情報を駆使した』という要素が私独自の切り口となっている。
もし、「世界記録が更新された件」というシンプルなタイトルだったとしたら……、タイトルだけで答えが分かるし、わざわざ読もうとは思わないだろう。
こんな感じで、話題自体が微妙でも、書き手の味付け次第で面白くできるのが考察系記事なのだ。
余談: 今回の考察で良かった点
今まで語らなかったが、『誰がその記事を書いているか』もPV数に影響する。
例えば、YouTuberでお馴染みの"ヒカキン氏"が記事を書いたとしたら、記事のタイトルや内容がひどかったとしても、大勢が読んでくれるだろう。
しかし、私は「お前だれ?」というレベルの人なので、今回のPV数の考察では都合が良かった気がする。
まあ、『マリオ64RTA』というワードの影響が大きい可能性も否めないが。(むしろ、その可能性が高い)
もし、SNSなどで名が知られていたとしたら、タイトル・内容の良し悪しに関わらず、全ての記事でPV数が伸びていたかもしれない。
この『作り手の名前に引きずられてPV数が増える現象』は、記事だけじゃなくて、動画などでも全く同じなのではないだろうか。
むすび
今回の内容をまとめたのが以下となる。
現時点での考察になるので、今後記事を書き続けたらまた話が変わるかもしれない。また、私が好き勝手考察しただけで、正しいかどうか分からないので、その点はご理解いただきたい。
・継続的に書ける"ウケの良いRTA記事"とは『独自の切り口から考察している記事』。取り上げている話題自体がつまらなかったとしても、書き手の味付け次第で面白くできるから。
・単発記事でウケを狙いたいなら『大発見系・意味不明系』『惹きつける話題の告知系』が最強。話題自体が面白いのはもはやチートなのである。
・普通の紹介系・告知系は読まれにくいので、場所(サイト)を選んで書いたほうが良い。
「いやいや、そんなこと言ったら普通のイベントの告知記事書けないじゃん!」と思った人がいるかもしれない。
そういう人向けに、私が考えた『告知系記事で読まれる方法』を最後に伝えてお終いにする。
その方法とは……、『独自の切り口から考察している記事』の最初と最後に告知を入れることだ。
『ランダマ70枚』とかはその形になっているし、私以外の書き手のイベント告知記事でも、ウケている記事はその形になっている。
今まで何度も述べてきたが、『独自の切り口から考察している記事』は、味付け次第でウケる記事になり得るため、読まれるポテンシャルが高い(≒良い告知効果を得られる可能性が高い)のである。
『イベントの開催告知は、〇〇のRTAの紹介するついでに行なう』
『記事内では、〇〇のRTAの面白さ・不思議さ・意味不明さなどをメインに語る』
――こういう考えで、イベント告知記事を書いてみてはどうだろうか。